「ある程度の知識とそれに基づく知を備えた人間が社会全体の生産性を高めるなら、そうした人間は必要である。また、勉強や学校が、このような意味で
の"有能な人間"を造ることができるなら、勉強や学校は必要だ。しかし、"有能な人間"が社会全体の富を拡大するのではなく、自分たちの取り分を増やして
いるだけなら、教育は社会にとってはプラスとは言えない。」
世界の一流大学を出て、ロジカルシンキングとプレゼンテーションと教養があっても、それを社会のために使わない人を育ててはだめなのだ。就職率が低
下すると即戦力型の人材を育成しようという話になりがちだが、高等教育の就職予備校化は長期的には社会にとって有害でさえあるかもしれない。